◆2013-11/26 第2章終了しました。多数のご参加、ありがとうございました。
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このイベントは「第1章「凍土に眠る災厄」の続編にあたります。
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氷の神殿に奉じられていた屠竜器(オーブのかけら)は力を失った。
神殿の地下からは、すでに深淵竜ヴラドの眷属である「魔物」たちが姿を見せ始めている。
氷の大地を守るフェンリル族が、族長ハーティを筆頭に、魔物たちを食い止めるべく立ちふさがるなか
ナイセ騎士隊シェキア、ルスキニア王女セラフィーマ率いる一隊は、オーブのかけらを手にナイセ本国へと急いで帰還する。
ナイセ王国でも、国王ユミルの指揮のもと、すでに襲来する魔物を撃退すべく準備が整い始めていた。
一方、テグレス王国ではいまだ祝宴の余韻が残り、対岸の異変に対する動きはいたって緩慢であった。
「魔物はすべてナイセに向かう。ここで迂闊に動いてナイセを刺激してはいけない」
という宰相ハインツの進言により、女王レガシーは軍を動かさないことを決める。
焦りを募らせる将軍ドイルのもとに、しびれをきらせた神獣の一族が現れた。
テグレスの面々に辛辣な叱責を浴びせ、獅子カレルヴォは、虎の一族シルヴォとともに一党を引き連れテグレスの守りを固める。
同時刻、レヴェン王国では皇帝マクシミリアンが、魔物との戦闘に珍しく興味を示していた。
レヴェン王セレスティンは、ナイセとの間に割り込むことはしないことを示唆しつつ
テグレス王国軍に援軍を送ることを承諾する。
ルスキニア王国との戦いがひと段落したレヴェン王国軍もまた、皇帝同様に血に飢え始めているのだ。
ルスキニア進攻の際には皇帝の前に姿も見せなかった、皇后ラマシュトゥが突如、王宮を訪れる。
彼女は、「魔物の群れに飲み込まれた兵士たちを救助してほしい」と懇願するが、
皇帝マクシミリアンはそれを歯牙にもかけない。
レヴェン国王セレスティンだけが、当初の予定どおりテグレスへの援軍を送ることを約束するが、
それも皇后にとっては不満が残るものだった。
皇后は、同時にテグレス女王レガシーにも同じ依頼を送っていた。
突然の要請に狼狽するレガシーのもとに、将軍ドイルが現れ、救援部隊の出撃を受諾する。
神獣の一族が快哉をあげるなか、宰相ハインツはひとり臍を噛んでいた。
同時刻、ナイセ王国王都ハーゲルセーレでは、氷の神殿から戻った遠征部隊の受け入れが始まっていた。
王都の防衛線を突破されないかぎり、ナイセ国内で受ける損害は軽微なものとなるはずだが…
氷の大地に残ったフェンリル族、
そして氷の神殿からの帰途にも魔物の掃討にあたった遠征部隊の働きによって
「ナイセ王国に到達した」魔物による被害は軽微なものとなった。
しかし、彼らの力だけでは、エルアーデ大陸全土に広まる魔物すべてを消し去ることなど到底不可能だ。
そして二重帝国が受けた被害の規模は、まだ明らかになっていない…。
魔物たちの掃討が終わり、ナイセ王国・テグレス王国双方が落ち着きを取り戻しつつあった。
ナイセ国王ユミルは、氷の神殿から運び出したオーブのかけらを
ルスキニア王女セラフィーマに託し、一刻も早くナイセを発つようにと告げる。
南に国境を接する同盟国・ヴァルヴァラ聖教国では、セラフィーマの兄である王子アルトリートに対し、
深淵竜ヴラドの復活を阻止する義務を与える、≪信託≫の儀式が行われることになっているらしい。
アルトリート達はまだしばらく聖教国に逗留するだろう。その間に急いで南下し、彼らと合流したほうがよい。
テスカトラ島の神竜族マハ、賢者セフィリア、そしてナイセ騎士隊隊長シェキアたちの随伴を得て、
セラフィーマはヴァルヴァラへと旅立つ。
テグレス王国では、魔物の群れから救い出された兵士たちを皇后ラマシュトゥ自らが労い、その無事を喜んでいた。
しかし、魔女としてのラマシュトゥは心中、邪魔が入り己の思惑どおりに事が運ばなかったことに苛立っていた。
「(結局傷を負ったのは、弱い子供たちではないか!
老害が占める要職の地位に、教団の有能な子らを招く好機だったのだぞ)」
同時刻、テグレスの王宮に戻った将軍ドイルは、新たな争いの火種に頭を悩ませていた。
隣国ナイセに、ルスキニア王女セラフィーマが匿われていたことが皇帝マクシミリアンに知られれば
ナイセとの戦は避けられないだろう。
だが、女王レガシーは、セラフィーマの無事を喜び
「伯父上(皇帝)の顔色をうかがう必要はないわ、この都にいれば傷も、悲しみも癒えるはずよ」と笑うばかり。
そして魔物の掃討を終わらせた、レヴェン国王セレスティンも、思わぬ事態に困惑を隠しきれずにいた。
彼のもとには、テグレスからの増援・物資の要請が届いていた。
補佐官ウィンデルバントの不在も重なり、雑事に煩わされるセレスティン。
戦い慣れないテグレス騎士たちが、なぜいつもの「静観」を決め込まなかったのか…
帝国の神獣たち、そして氷の大地のフェンリル族の戦士たちは、
そんな人間たちのしがらみを厭いながらも、彼らとの共闘が避けられない事態を確信し
それぞれが守るべき民のもとへと向かうのだった。
>> 第3章 3「岐路」に続く